他サイト様の更新情報
Powered By 画RSS

ドジっ娘ナースにさらわれちゃう男の娘!?【おねショタ中編/Scene.8-A】

瑞乃「プロローグはここですっ! あと、グローバルメニュー(スマホの場合は記事下)の『目録』も使って下さい!」
雅加「あと、『ご案内』も活用してほしいな」
瑞乃「今回は一番の見どころ! 御形ペンペン草こと浅名優菜がね、足りない脳を必死にふりしぼりながら、無駄な足掻きを四苦八苦をして情景描写をした部分らしいです! 心して読んで下さいね~♪」


joy

 行き詰まりの絶望に染まった自室を、ボクはどこか淡々と片付けていた。
 そう、絶望は絶望。
 両親には〔捨てられることが確定〕したし、海堂もこれから、ボクを性奴隷にする気満々だろう。

 かといってボクは、あの両親の意向に従う形での自立はしたくないし、海堂に弄ばれる毎日を想うと、また吐きそうになる。
 まさに絶望。

 だけれど。
 今のボクには、それに屈して心が泥のように溶けていく〔あの感じ〕が、不思議と皆無だった。
 それどころか、風邪が治りかけるときのような、あるいは夜が明けかけるときのような、静かだけれど確かな希望が、ボクの心をしっかりと支えてくれていた。

 綺麗になった部屋を見渡すと、ボクは昨日海堂が入ってきた窓から、真夜中も近づく漆黒の街を眺める。
 さっきボクは、瑞乃さんになにもかもを話してしまっていた。
 両親のことも、海堂のことも、全部、全部。

 事情を聞いた瑞乃さんは、たった一言、

〔君をさらいに行くから待ってて〕

 とだけボクに告げて、通話を切った。
 つまりこの整頓は、ボクの身辺整理でもあったというわけだ。

 少し寒い微風の街は、葉擦れの音が開幕前のざわめきのように響いている。
 窓枠をつかみ、真っすぐに通りを見下ろすボク。
 胸の高鳴りや気分の興奮はほとんどなく、生まれたままの静かな心で、止まった景色をじっと眺めていた。

 時間の経過は、長いとも短いとも感じなかったけれど──
 やがて、ひとつのエンジン音が、凍っていた景色を溶かし、止まっていた時間を動かす。

 赤いポルシェが眼下にそっと滑り込んできたとき、ボクは〔幕が開く〕のを感じて、とても軽い袋を手に取った。
 そこにはサンダルと、あとは、処理のしようがない、さやかさんの制服だけが入っている。
 制服は、さっき手洗いした。生地が硬いせいか、それほど染みこんではいなくて、意外と簡単に綺麗にすることができた。

 歩道に寄せた車から出た彼女は、涼やかに手を上げて合図。
 ボクは思い切って窓を出ると、木をつたって地面を目指す。──窓から出ることにしたのは、玄関の音に両親が気づいたら面倒だから。

 階段もなしに下りるのは少し怖かったけれど、瑞乃さんの姿がボクを強くしてくれた。
 木の根元に足を着くと、サンダルを履く時間すらうっとうしく感じつつ──

 ボクは白い柵を飛ぶように乗り越え、

「瑞乃さんっ──瑞乃っ」

 恋しいその名前を呼びながら、愛しいその姿に抱きつく。
 ボクをしっかり抱きしめ返す彼女は、

「やっと呼び捨てにしてくれた……」

 と一言だけ。
 そのさり気ない叙情が、なによりボクへの想いを強く感じさせてくれた。

 命の鼓動を触れ合わせて、あらためて気づく──
 この唯一無二の洒脱な温もりこそが、ボクにとってただ一つの居場所だと。

 抱き合っている暇はない。運悪く両親が家から出てきたら終わりだ。

 二人、車へ乗り込むと、瑞乃さんは即座にアクセルを踏んだ。
 久しぶりの乗り物。景色が早送りのように流れ去って行く様は、不安な焦りと嬉しい高揚を同時に感じさせてくる。

 十八年、それがすべてでしかなかった、両親に監督された生活。その舞台からどんどん離れていくのは、確かにいささか不安ではあった。
 だけど、それは偽りの土壌。
 そこから脱して瑞乃さんとの愛に生きられる、その嬉しさのほうがずっとずっと大きい。

「瑞乃さん、ありがとう。君と出逢うまでのボクは、たぶん死んでたし、君と出逢えなかったら、ボクは死んでた」

 街灯かりを切り抜いた横顔のシルエットが、そのとき緩く微笑むのがわかった。

「私も。君と出逢わなかったら、一生男の人と縁がなかったかも」

 瑞乃さんの匂いを封じ込めた、この〔動く密室〕が、夜のアスファルトをヘッドライトで照らしながら、ボクの知っている土地を抜けてゆく。

「ここから先は、来たことないや」

「そっか」

 他愛ない会話を静かに交わすのが、この上なく嬉しい。
 それは、いつか乗った遊園地の船と同じに、いつまでも続いてほしいと願わずにいられない、夢を現実に体験する時間。

 もしこれが本当に夢ならば、もう永遠に覚めなくても構わない──
 そんな願いを込めて見つめる住宅街の光たちが、とても眩しかった。

stars

瑞乃「クライマックスまっただなか! ちょっとでもドキドキしてくれた人は、ぜひランキングバナーをクリックして下さいね☆」
雅加「あと、ブログ拍手もとっても嬉しいです!」




カテゴリー: Scene.8【君をさらいに行く】, ドジっ娘ナースが引きこもりのボクに行なったHなショック療法のこと タグ: , パーマリンク