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住宅地の林でナースお姉さんとキス!【おねショタ中編/Scene.4-B】

雅加「プロローグはここ。あと、グローバルメニュー(スマホの場合は記事下)の『目録』も使ってほしいな」
瑞乃「今回はブチュチュンパでーす」
雅加「ボクたちはナメクジではありません。甘い息も舐めまわしも使えません」


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 手と手を緩く握って、歩き出す夜霧の街。
 瑞乃さんの手は、彼女の体臭と同じに、焼き立てのパンケーキさながらの甘い温かさだった。

 秋の濃密な南風が二人の背中を押すと、これからまるで流星群でも見るように胸が高鳴る。
 その真っ赤な沈黙を冷却するように、瑞乃さんが慌てたように口を開いた。

「あー、あれだね。最近の住宅街って、どこまで歩いても終わらないからダンジョンみたい」

「そう? この辺りは、ボクが小さい頃からこうだったけど」

 そうだ。街はなにも変わっていない。
 ……はずなのに、アスファルトを白くきらめかせる街灯が、夜風に揺らぐ家々の庭木が、まるで夢の国の色彩のように活き活きと輝いている。
 そう。隣に瑞乃さんがいる、ただそれだけで。

「あーやっぱり、そのあたりはジェネレーションギャップ、かな」

「瑞乃さん、いくつだっけ?」

「二十五~」

 ぶすっとして年齢を告白する瑞乃さん。

 ささやかな話し声が、物静かな靴音と混ざり合う。
 ボクは気づいていた。
 ──瑞乃さんが、外に慣れていないボクのため、ゆっくり歩いてくれていることに。

「ありがとう、瑞乃さん」

「え?」

「こんなふうに、付き合ってくれて」

 瑞乃さんは歩調をより遅くすると、難しそうな顔をしてうつむいてしまう。

「私さっき、研修医さんに口説かれちゃってね……しばらく、しこりが残りそうなんだ」

「え!?」

 慌てふためくボクの心が伝わったのか、彼女はおかしそうに微笑んだ。

「あっはは、心配すんなっ! キッパリお断りしたからさ。私ああいう、男らしい男としての男、みたいな人、苦手だから。ゴツゴツした腕とか、脂ぎった顔とか、ダメなの」

「そう……」

 瑞乃さんはまばらな星を見上げ、諦めるように胸中を語る。

「うん。ガサツで横暴な父親と、それを崇拝する母親とのイザコザが、トラウマになってるのかな」

「両親、か」

 ボクも、両親とは上手くいっていない。

「でも大丈夫。今は私、天涯孤独だから」

「そうなの?」

「うん。私が社会人になるちょっと前、父の浮気を許さなかった母が、父を殺して自分も死んだの。──ろくなもんじゃないよねぇ。子供を残して勝手に逝くなんて」

 何気ない真顔でボクを見つめて、歩きながら自分の過去を語った彼女。

 ボクは自分が恥ずかしかった。
 両親とのあの程度の不和で、悲劇の主人公を気取っている自分が。

「瑞乃さん」

 なにか言葉をかけてあげようとすると、彼女からの言葉によって口をふさがれた。

「やっぱり私には、君が……」

 すぅぅーと、生ぬるい微風に揺られる彼女の髪。
 うつむいていたその瞳は、やがてしっかりと、ボクの顔を訴えるように見つめてきた。

 蠱惑的な夜風と混じりあう、瑞乃さんの甘い香り。
 ボクのなかで、生まれて初めての強い感情が渦巻いてきて……

 気づけば彼女の腕をつかんで、建物と建物の間に駆けていた。

 ここは、灰色の団地と、青い屋根のアパートと、レンガ造りのマンションに囲まれた、小さな四角い森。
 アパートの通路を照らす蛍光灯が、木々の葉をぼんやり照らして幻想的だなと、いつも自室の窓から眺めて感じていたもの。
 木々の息吹を封じ込めるこの場所は、まるでガラス瓶のなかの小宇宙ジオラマのようだった。

 奥まで走って、瑞乃さんを団地の壁に押しつけると、揺るぎない想いを込めて告げる。

「瑞乃さん、好き」

「それ、前も言ったよね」

 戸惑うような伏し目になる瑞乃さんが、妙に艶めかしく思えた。

「だって、順序がバラバラじゃないか、ボクたち」

「そう、だね……うん」

 瑞乃さんは伏せた眼を再び見開くことなく、そのままそっと、眠るように瞳を閉じる。
 ボクも目を閉じると、ゆっくりと、彼女の唇のほうへ顔を移動させた。

 とても永く感じる、キスまでの時間。
 ひときわ強い風が吹き抜けていったとき、ボクの唇はようやく、彼女の同じ部分へ触れることができた。

 ──気持ちいい、でも、ドキドキする、でもなくって、とにかく温かい。そして涙が流れるくらいに切ない。
 唇から伝わってくる、瑞乃さんの命の息吹が、ただ愛しくて、いじらしくて。

 ボクたちは顔の両脇あたりで手と手をしっかり結んで、そのままキスしつづけていた。
 それはまるで、このジオラマの一部になるように。

 ささやくような葉擦れの音だけが、ボクたちを優しく見守っていてくれた。


瑞乃「ブチュチュンパきたぁあって思ってくれた人は、ランキングバナーをクリックしてね~っ」



カテゴリー: Scene.4【夜霧に包まれたクンニ】, ドジっ娘ナースが引きこもりのボクに行なったHなショック療法のこと タグ: , , , , パーマリンク