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ナースの残り香【おねショタ中編/Scene.3-A】

雅加「プロローグはここ。あと、グローバルメニュー(スマホの場合は記事下)の『目録』も使ってほしいな」
瑞乃「今回は引きニートの内面描写だけ……つまんないかも」
雅加「そ、そんな……」


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 瑞乃さんが帰ったあと、ボクはぼんやり、彼女の腰かけていたクッションに頭を乗せて横になっていた。

 今、自分がどういう状態になっているのか、わからない。
 なんだか心が重くて軽くて、地の底まで沈んでいきそうな、それでいて天にも昇るような、不可思議な感覚。

 確かなのは、ボクの煮えたぎる想いが、この部屋の四角い狭さに収まりきらないこと。
 これがミュージカルなら、ボクはすぐさま街へ出て行き、歌って踊るのだろう。

 でもボクは真正の引きこもり少年。
 歌もセリフも全部、この部屋の壁が吸い込むだけだ。

 それなら、夢のなかで歌い踊るほうがいくらか合理的。
 ボクはそっと瞳を閉じ、頭のなかの花園に意識を埋もれさせていった。

 目が覚めたのは、母に「ご飯よ」と声をかけられたとき。
 ドアを開けて、ボクが部屋を出ると、お盆を持った母は少し驚いた。

「今日は下で食べるの!?」

「うん」

「あら珍しい」

 もちろん、瑞乃さんとのことが原因で、両親にも心を開ける気持ちになった……
 とか、そんな甘いことでは、まったくない。

 ろくに顔も合わせていない二人と食事だなんて、そんなの億劫きわまりないことだ。
 ただ、今夜食事を両親と摂ることには、〔ある一つの思惑〕があった。

 冷たいタイルのキッチンで、両親と囲む広いテーブル。

「今日はここで食べるのか」

 父がお肉をくちゃくちゃとむさぼりながら、険しい顔で訊いてくる。

「うん」

「そうか」

 そしてしばらく無言の食事。
 明らかに、父も母もボクの変化に戸惑っている。

「朝苗さんの、おかげなの?」

 母がご飯茶碗を持ったまま、作り笑いで訊いてくる。

「そうだね」

 ボクがはっきりうなずくと、父と母は興味深そうに顔を見合わせた。

「あらまあ、さっそく効果があったのね」

「ボランティアというのもバカにならないんだなあ」

 効果って、なに? と問いたくなったけれど……
 ともあれ、ボクの思惑というのはまさにこれ。
 ここで瑞乃さんの評価を上げておけば、両親は彼女を信頼して、歓迎するようになるだろうから。

「いつまで学校を休む気だ?」

 ハムエッグのソースを口につけたままの父が、いぶかしげに訊いてくる。

「さあ」

 その二文字ではぐらかしても、父は怒るわけでも悩むわけでもなく、

「そうか」

 と呟いてご飯を口へ運ぶだけ。

 今どき『しゃべる家電』相手でも、ここまで味気のない会話にはならないだろう。

 どこで食べるか。
 瑞乃さんかボクにどんな効果をもたらしたか。
 いつまで学校を休むか。

 そんな物理的な事象にばかり目を向けていて、ボクの内面には一切興味がない。

 その証拠に、ボクはこの両親から、
〈学校でなにがあったのか〉
 と訊かれたことが一度もなかった。

 部屋に戻って、もう瑞乃さんの匂いも消えたクッションに、また頭を預ける。

 両親との食事は冷めた体験だったけれど、不思議とこの心は沈んでいない。
 なぜか心が春色のオーラに包まれていて、どんな煩悩も苛立ちも、心が即座にキャンセルしてしまう感じ。

 ボクは一人、彼女がこの心身に残していった、温もりと刺激を胸に抱いて、温かな夜の時間を浪費していった。

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瑞乃「つまんない回でごめんなさいね~。次はスーパーナースな私の再登場ですから! ランキングバナーをクリックして待ってて下さいっ」



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