他サイト様の更新情報
Powered By 画RSS

優しすぎるナースさん【おねショタ中編/Scene.11-B】

瑞乃「えーと、プロローグはここですっ! あと、グローバルメニュー(スマホの場合は記事下)の『目録』も使って下さい!」
雅加「『ご案内』も活用してほしいな」
瑞乃「今回もプラトニック。朝那×夕菜に負けないぞ!」


smirk

 ボクがエイリアン……とはどういう意味なのか。

「そんなフェイント喰らったような顔すんなし」

「だけど意味がわからないよ」

 エイリアンと聞くと、どうしてもあの黒いネバネバな生物を思い出してしまって、ボクは少し困惑していた。
 けれど、瑞乃が骨太な口調で告げてくるのは、深い理解に満ちた肯定的な言葉。

「生まれながらの、異分子。対人恐怖症だからみんなと馴染めない、とかじゃくって、元々人としての成り立ちが違ってる。だから、ボランティアもカウンセリングも意味をなさない」

 ボクはハッとして、その奥深い優しさを含んだ美顔をのぞき込む。

「だから君は、ボクをさらった……?」

「フフ、そう。君を救えるのは、愛だけだって、そう思ったから」

 ありがたさが心からあふれ出てくる同時に、申し訳なさが心の底から湧き出てきた。

「ボクに似てる彼氏っていうのがどういう人だったかは知らないけど、ボクはたぶん、こうして助けてもらえても、強くたくましくはなっていけないと思う」

「あのね雅加」

 瑞乃がそれに対してなにか言おうとする前に、ボクは懺悔に近い口調で話す。

「これから、ここに置いてもらったとしても、ボクはきっとなんの役にも立てない。それだったら、瑞乃がこのままボランティアとして、ボクを社会復帰させるほうが……」

 瑞乃はどこか強い態度で首を横に振った。

「私がボランティアとして、君にしてあげられることはもうないよ。うちの病院、夜間の外来受付がね、人材不足でガタガタなの。だから、君にやってもらえたらって。何事もなければ、ほとんど座ってるだけだから、君にもできると思うわけよ」

 瑞乃と同じ場所に通える……という好条件にはときめいたけれど、ボクは二年間も泥沼の底に沈んでいた人間。

「役に立つかどうか……。第一その病院、瑞乃が振った研修医がいるんでしょう?」

 重々しく答えるボクに対して、瑞乃は軽い口調を崩さない。

「彼、もう別のナースを落としたし。まあ仕事が合わなかったら、私の紐にでもなってくれればいいよ」

 こういう、〔上質な軽さ〕が、ボクにはなにより必要なんだって、思った。
 無意味な神経質さを持った人とばかり関わってきたものだから。

 瑞乃は「それはそうと……」とか言いながら、起き上がって電話を手に取る。

「あ、もしもし、雅加君のご両親ですか? 私、引きこもり支援ボランティアの朝苗です」

 あの両親、少しは慌てているのだろうか?
 と思ったけれど……

「はぁ? あなたがた、もしかして……息子さんが家を出たことも気づいておられないんですか!?」

「はぁ……」

 ため息が出るけれど、それは軽くて短いもの。
 もうあの両親とのことなんて、前世の出来事のように思えていた。

 瑞乃は事情を説明したあと、呆れ果てたような吐き捨て声でこう締めくくる。

「はい。はい──。そうですか……はい。わかりました。では、後日、正式にお話ししましょう。ええ。ええ。はい。雅加君も、それに賛同することでしょう。はい。では」

 がたっ、と、断罪するように受話器を置く瑞乃。

「どうした? あの両親、なに言ってた?」

 瑞乃は少し哀れむような顔でボクを見つめると、思った通りの成りゆきを告げてきた。

「ご両親ね、〔雅加を朝苗さんにお譲りするには条件があります。雅加を朝苗の婿にして下さい〕だって」

「へぇ。失敗作であるボクと縁を切って、新しい子供を作る気か」

 ボクのニヒルな諦め節が、おそらく負け惜しみに聞こえたんだろう……瑞乃は綺麗な涙をきらめかせながら、またボクの隣に身を横たえてくる。
 そして、この背中をありったけの力でさすってくれた。

「もう君を、変な愛情や、歪んだ価値観のなかで生きさせるようなことは、この私がさせないから! だから安心して……!」

 瑞乃の気高い愛。
 本当に生きていて良かったと、ボクは心から自分の人生に感謝していた。

「ありがとう……ありがとう瑞乃」

Go to Scene.12

revolving_hearts

瑞乃「次からはエピローグっぽい部分です。最後まで応援して下さいね~」



カテゴリー: Scene.11【事後の対話】, ドジっ娘ナースが引きこもりのボクに行なったHなショック療法のこと タグ: パーマリンク